できれば、真南に向いた部屋の多い家にしたいものです。
それは夏涼しく、冬暖かいからです。太陽高度(地面に対して太陽が射す水平角度のこと)は季節によって日々変化しています。夏至は78°、冬至は31°春分、秋分は55°が、関東地方の平均値。
夏はひさしが出ていれば、直射日光を遮ることができ、冬は窓からの日差しが太陽高度が低いため、部屋の奥深く入り込みます。夏は涼しく冬暖かい家となります。
45年前に建てた、南西向きの敷地の我が家は、冬は朝いつまでも寒くて、夏は夕刻の西日が強く、さらにコンクリートの屋根スラブが深くかぶっていて、夏の夜の二階では暑くて眠れない、温熱環境としては最悪の状況に住んでいました。今は木造の薄い屋根をRC の屋根の上にかけ、直射日光がスラブに届かないようパラソルをかけた状態にしたり、増築部が南東を向くように配置し、さらに今までなかった西側の隣家が西日をかなり遮ってくれるようになりました。南東向きのギャラリーの床材を陶板として、直射日光の冬の太陽熱を蓄熱することができています。