家族に愛されて来た古民家を、あたたかさ、明るさ、使いやすさを求める方向で改修。この家の格式や立派さに見合った改修となるよう、力を尽くした。年老いた母と、ここで会社を自営する息子との二人住まい。
![外観](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_00.jpg)
シバザクラが満開の、再生後の北側外観。
![改修前](http://akiko-arch.jp/conten2/wp-content/uploads/2015/01/kawarakomachi_01.jpg)
再生前の姿。鴨居上の欄間に障子が入り、天井までの小壁が高いことが、この家の格式をうかがわせる。神棚も仏壇もとても大事にされている。
![改修の方針](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_02.jpg)
何を引き継ぎ、何をなくすのかをまず、整理した。
![揚げ屋の様子](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_03.jpg)
家を軸組と屋根だけにまでほぐし、軸組全体を揚げ屋をする。もともとあった家は、基礎の立ち上がりのない石場建てだったから、揚屋(あげや)が可能だった。
![新しい基礎の上に戻す](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_04.jpg)
取り替えるべき柱、新設する柱を取り付け、建築基準法が求める鉄筋コンクリートの基礎を作った上に、建て屋をおろす。
![蔵と母屋をつなぐ回廊](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_07.jpg)
蔵と母屋をつなぐ建物を新設し、外側に回廊を作った。ガラスブロックには、夜になると明かりが灯る。
![回廊内から庭を見る](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_05.jpg)
回廊から庭と北側に新設した玄関を望む。右側の円弧の弦の形をした建物は、新しく作った事務所棟のトイレ。腰から下にはめこまれたこのガラスブロックも、夜は行灯の役目と果たす。
![玄関をあがったところ](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_12.jpg)
かつては縁側だったところにできた玄関ホール。あがったところが、畳の小上がりになっているのが、ほっとする。土間部分には臼を利用したテーブルを置いた。
![応接間](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_11.jpg)
玄関からあがった正面の引き違いのガラス戸を開けると、テラコッタ張りの薪ストーブスペースと、板の間の応接間がある。ガラス瓦の利用、小壁を取り払ってガラス壁に変えたことなどで、高いところからの採光を実現した。ご先祖たちの絵姿が、高いところから見守っている。
![台所](http://akiko-arch.jp/images/kawarakomachi_09.jpg)
母親がいつも居る、明るいLDK。左手に掃き出しのガラス窓があり、そのままウッドデッキに出ることができる。
![事務所](http://akiko-arch.jp/conten2/wp-content/uploads/2015/01/kawarakomachi_08_2.jpg)
母屋の西側の3分の1ほどは、息子の会社の事務スペースと打合せスペースになった。
![](http://akiko-arch.jp/conten2/wp-content/uploads/2015/01/kawarakomachi_201.jpg)
新築したガレージは、2箇所のフルオープンする2枚引き戸で、車などを格納する。
![](http://akiko-arch.jp/conten2/wp-content/uploads/2015/01/kawarakomachi_202.jpg)
蔵と繋いだアプローチに屋根をかけ、表庭にでる扉が、勝手口とつながり、水回りを挟んで主屋とつながる。
![](http://akiko-arch.jp/conten2/wp-content/uploads/2015/01/kawarakomachi_203.jpg)
玄関内部のかつての牛梁のめぐるホール階段の手前は、和紙ばりの扉のうらがコートかけ。
![](http://akiko-arch.jp/conten2/wp-content/uploads/2015/01/kawarakomachi_204.jpg)
新旧では、エントランスとアプローチが、ガラッと替わった。車は真ん中から、人は蔵の西側の新設屋根つき側廊を通り北側から入る。