どんな家をつくるかという以前に、家をつくるプロセスも楽しみ、結果、住む人にとって「楽しい家」ができあがることを大切に思って、仕事しています。
建て主さんにとっては楽しいかもしれないけど自分は楽しくない、というのでは、うまくいかないんですよ。
いちばん大切にしているのは、
「楽しい家づくり」
設計する自分も楽しくて、自分がここに住んじゃいたいくらい!というような家づくりであれば、結果、いい家になります。
そのために必須なのは、まず、「建て主さんを好きになること」。
だから、最初にお会いする時には、私からいろいろお話するより、建て主さんのことをいろいろ知って、その人のおもしろいところ、尊敬できるところを見つける、ということを、心がけています。
そのために、こんなチェックリストを作っています。
日曜日は、どんなことしますか?
長い休日があったら、どこでどんなことをしたいですか?
今まで家を作ったことがありますか?
どろぼうに入られたことは?
地震→雷→火事→親父、あなたが「こわい」と思う順序は?
子どもさんの部活は?
お料理はどなたがしますか? 二人以上ですることは?
興味のあること、趣味は?
ご両親が来られることはある?
食事は家族揃って?それとも別々のことも多い?
好きな樹は、なんですか?
庭仕事はしますか? これからしたいと思いますか?
家の中に観葉植物を置きますか?
いろいろとインタビューしていくと、そのご家族が大事にしていることが何なのか? 物はどのくらいの量がありそうか? キッチンはどんな感じにするか? スペアルームが必要か? などが見えてきます。
なんといっても食堂が「楽しい家」の中心になると思っています。そこは、ご飯を食べるだけでなく、みんなが集まってくる場所になるからです。反抗期の子でも、夜が遅いお父さんでも、家に居る時はご飯は食べるでしょうし、多少の会話も生まれるでしょう。無言で寝室に直行ということは、あまりないですからね。
みんなのごはんを作る人が立つキッチンは、朝日があたるところとか、庭が見えるところとか、家でもいちばんいい場所にもってくるようにします。あとは、食堂を中心に、寝室、書斎、子ども部屋、アトリエなど、それぞれの場所に戻ります。食堂が木の幹で、部屋が枝という感じです。
といっても、定番って、ないんです。建て主さん家族のライフスタイルがひとつひとつ違うし、敷地の条件もそれぞれですから、同じ家って、二つとないんです。
「このご家族のための、ここに建つ、こんな家」というのを、プロジェクト紹介にまとめました。おもちゃ箱みたいな感じですが、よかったらご覧ください!